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「音楽は人を自由にする」  ?

 今までの日記リストです。     http://blog.so-net.ne.jp/life-ayu/2007-08-16-7

 

 クラシックに縁がない人は知らないかも知れませんが、ダニエル・バレンボイムさんは世界的に有名な人です。2004年にヴォルフ賞を受賞しました。
この賞は、人々の友好を実現した功績に対して、国籍や人種、宗教、政治的立場にかかわらず表彰する、というものだそうです。
  この受賞のスピーチがすごぃんです。

以下引用
  『   <イスラエル国は、国民すべてを利するべく、国の発展に尽くす。イスラエルの預言者が述べたように、国民にあまねくもたらされた自由と正義、幸福の原理が我が国の基盤である。我が国では住民が、信仰、人種、性のいかんに関わらず、社会的、政治的な権利を等しく保証される。信教、良心、原語、政治、文化の自由は守られる。
 皆を代表して、この独立宣言に署名する者は、平和のために尽くし、隣接する国々やその国民と友好的な関係を結ぶよう尽力することを誓う>(拙訳)    』

バレンボイムさんはこう続けました。
以下引用  
 『   「 私は今、沈痛な思いで、こう問いたいのです。他の国を占領し、そこに住む人々を支配する行為は、この独立宣言に馴染むのだろうか、と。ある国が独立を維持するために、他国の基本的な権利を犠牲にするということが、道理にかなうのでしょうか、と。絶え間のない苦難と迫害の歴史を持つユダヤの人民は、隣国の基本的な権利と苦難に冷淡であっていいものでしょうか。イスラエル国は、現実的で人道的な解決に尽力するのではなく、この紛争をイデオロギーで終わらせるという非現時的な夢にふけっていていいのでしょうか。
 私は常に、この紛争を軍事的に解決することは不可能だと確信しています。倫理的に、あるいは戦略的に解決することも、無理でしょう。
 今こそ解決方法を見つけなければなりません。だからこそ、私は自問するのです。解決方法が具体的にされるまで、漫然と待っていなければならないのか、と。こういう思いから、友人である故エドワード・サイードと共に、ユダヤ人であろうとアラブ人であろうと、中東のあらゆる国々の若い音楽家が参加できるワークショップを始めました 」  』 
 以上引用


 ヴォルフ賞を主催する財団の会長であり、リブネット・イスラエル教育文化大臣は祝福メッセージの場でこういったそうです。

「ヴォルフ財団の会長として、バレンボイム氏がこの場を利用してイスラエル国を攻撃したことに失望しています」

一部から拍手と大勢のどよめきだったそうです。

でもこの発言この賞の趣旨から外れてませんか? 政治的立場にかかわらず表彰するんですよね?

「攻撃」は主観的なので、大臣の考え方からすればそうでしょう。別の角度からは、イスラエルを攻撃してるのは大臣のほうです。これは水掛け論かも。
うちは「攻撃」でないと多分おもいますけど。


どこかの国なら、バレンボイムさんのようだと、たちまちなんとかの手先・なんとかのスパイ・売国者、亡国さす者、偽善とかで袋叩きされそう・・。大臣は拍手されそうかも。


バレンボイムさんの「愛」は大臣が国民に要求する「愛」とはちがうんですね。
以下引用
『  祖国に対する「愛」は、政府や政治的リーダーに対する忠誠や支持とは違う。人によって、自分の国や同胞たちへの思いの持ち方、表し方はいろいろだ。 』


自分達の守る「愛」を他人に強要するとおかしなことになるかも。自分達○あなた×では、ちょっと・・。
http://www.egawashoko.com/c006/000162.html

「音楽は人を自由にする」は会場の、見るからに保守的なユダヤ教徒といった老人が、ヘブライ語で次のように大書した紙を掲げて立ち上がった時のものだそうです。
「これはアウシュヴィッツの入り口に掲げられた<労働は人を自由にする>の標語のパロディで、このご老人は<音楽は人を自由にする>ことなどありえないということを強烈な皮肉を込めて主張しているでは」 という解説がありました。


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