当事者発表 [法律・制度]
これは間接報道、世間の噂も元にしたものでなく、主観・解釈を少なくしようと、直接当事者の方自身のコメントと思われるものを集めてみました。
一度知識・主張とか可能な範囲で白紙で(容易ではないですが)、弁護団と、橋下弁護士のを読んでいただければ幸いです。コメントされた方の意思を少しでも正確に伝えるために、お時間とか余裕あれば原文読んでいただけると幸いです。
1 ヤメ記者弁護士さんの転載です。
光事件弁護団が作成した「Q&A(弁護団への疑問に答える)」をご紹介します。
■■引用開始■■
光事件については,マスコミを通じ,またインターネット上で,弁護団に対する様々な非難が加えられています。その中には,正確な事実を踏まえないか,誤解に基づくものがあります。
そこで,皆さんに正確な理解をしていただくため,弁護団に対して寄せられた疑問に答えたいと思います。
1 経過について
Q 光事件の経過について教えて下さい。
A 平成11年4月14日に,山口県光市で発生した事件です。
検察官の起訴事実によれば,被告人は(18歳)は,被害者を強姦しようと計画し,被害者宅に排水検査を装って入り,暴行を加えたものの,被害者が大声を出して激しく抵抗したため,殺害して姦淫しようと決産し,被害者の首を両手で強く絞めつけて窒息死させたうえ,姦淫した,その際,激しく泣き続ける被害児(生後11ヶ月)に激昂して殺害を決意し,被害児を床に叩きつけるなどした上り首に紐を巻き,その両端を強く引っ張って絞めつけて窒息死させた,とされています。
Q 裁判ほどのように進んできましたか。
A 被告人は平成11年4月18日に逮捕され,平成11年6月 4日,山口家裁での少年審判で逆送決定を受けました。この事件の裁判は,平成11年6月11日に起訴され,第1審(山口地裁平成12年3月22日),第2審(広島高裁平成14年3月14日)は,この起訴事実を前提に,いずれも無期懲役を言い渡しました。しかしこれに対して検察官から上告がなされ,最高裁判所は,平成18年6月20日,原判決を破棄し,広島高裁に差し戻しました。
現在,広島高裁でこの事件の審理が行われています。平成19年5月24日に第1回公判がはじまり,6月26日から28日,7月24日から26日に公判が連続開廷され,9月18日から20日までさらに開かれる予定です。
2 差戻審の弁護団の主張についての疑問
Q 差戻審の第1回の公判での弁護団の意見が反響をよんでいますが,弁護団の差戻審での主張はどのようなものですか。
A これは典型的な少年事件であり,著しく精神的に未発達な被告人がもたらした偶発的な事件です。
検察官が主張するような,強姦目的で被害者宅に上がり込んで襲ったものではありません。
被害者ののど仏付近を両親指で力一杯押さえつけて首を絞めつけるといったこともなく,被害児を頭上から逆さまにして床にたたきつけたこともありません。法医鑑定の結果からは,このような事実は認められません。
Q 何が起きたのですか。
A 被告人は,入社したばかりなのに,この日も会社を休んでしまいました。そして,仕事をしているふりをしようと戸別訪問をすることにしました。被告人は,会社のネーム入りの作業着を着て,さらに会社名まで名乗って各室を訪問していました。
被害者から,部屋に招き入れられ,言葉をかけられたことから,亡くした母親に甘える思いで被害者に背後からそっと抱きついたところ,被害者から,まったく予想外の激しい抵抗を受けてパニック状態に陥り,被害者を制止しようとして誤って被害者を死に至らしめました。被告人は,被害者が大声をあげたので声を封じるため口に片手を当てたとしていますが,その手がずれて首を圧迫したとすると,それは遺体に実際に残された指による蒼白帯と合致します。
また,被害児に対しては,泣きやませようとして懸命にあやすものの泣きやませることができずに困惑し,パニック状態から,遂に首に紐を緩く巻いて喋々結びにし,その結果,被害児を死に至らしめました。したがって,被害者や被害児に対する殺意は存在しません。
Q どうしてこのような事件が起きたのですか。
A そのためには,被告人について理解する必要があります。被告人の父親は,母親を虐待し,それを止めようとする被告人も暴行を受けていました。母子は父親の虐待をおそれ,それから逃れながら共依存関係にありました。そして母親が自殺をしたため,被告人は母親の死を十分に受け止めきれないまま取り残され,精神的外傷を負ったまま,その精神的発達は母親の自殺の時点に停留しています。
Q これまでの1審・2審で主張していなかった事実を差戻審で主張することは許されるのですか。
A 法律上許されています。
Q 検察官の起訴事実や旧裁判所の認定は,どんな証拠に基づいているのですか。
A 検察官の起訴事実や旧裁判所の認定を支えている主な証拠は,被告人の自白調書です。しかし,この被告人の自由は,取調官による作為や強要に基づくものばかりであり,同時に少年特有の取調官への迎合といった顕著な事情が垣間見れらるものであります。したがって,被告人の自白調書は,真実を語っておらず,信用性がありません。
Q 弁護団の主張は,どんな証拠に基づいているのですか。
A 弁護団の主張は,主なものだけ挙げると,
① 被害者の死体の痕跡についての法医鑑定です。原審が認定したような態様で両手で絞殺されたのではなく,現在被告人が述べるような態様で右逆手で首を押さえつけられた状態で死に至ったという内容です。
② 被害児の死体の痕跡についての法医鑑定です。被告人が被害児を後頭部から床に叩きつけたという行為は無く,紐で首を力一杯絞めたという事実も無かったという内容です。
③ 被告人について実施した犯罪心理鑑定と精神鑑定です。これらは,私たち弁護人が就任する前,すでに実施されていた少年鑑別所の鑑別結果や家裁調査官の調査報告書とも合致するものです。犯罪心理鑑定によれば,本件は被告人の生育過程による未成熟な人格が引き起こした母胎回帰ストーリーとして理解するのが自然であり,原審が認定した性暴力ストーリーでは理解できません。また,精神鑑定によれば,被告人の本件当時の精神状態は,母親が自殺した12歳のときのまま発達していないということです。
④ 差戻し前の被告人の公判供述です。被告人は差戻し前には公訴事実を争っていないとされていますが,実際にはこれら公判供述においては,強姦相手の物色や殺意を否認するような供述もあります。
Q 被告人の新供述は弁護団のストーリーを言わされているという見方がありますが。
A そうではありません。
被告人が記憶に基づいて供述しています。公判段階の供述や家裁の社会記録の中にも,今回の供述の片鱗が見受けられます。
Q 被告人は,強姦目的で,被害者のアパートをうろうろしたのですか。
A そうではありません。
被告人は“入社したばかりなのに,この日も会社を休んでしまいました。そして人恋しさと寂しさをまぎらわすために,仕事をしているふりをしようと戸別訪問をすることにしたのです。
被告人は,会社のネーム入りの作業着を着て,さらに会社名まで名乗って各室を訪問していました。検察官は,相手を物色していたと主張していますが,父親が被害者の夫と同じ会社に勤めていた関係で,現場は,被告人も住む社宅の別棟の一室であり,友人との待ち合わせまでのわずかな時間の出来事ですから,そのような場所で計画的に強姦をしようとしたはずがありません。
Q 被害者宅に至るまでの戸別訪問では被告人に対しどのような対応がなされたのでしょうが。
A それまでの戸別訪問では,ぎこちない被告人の行動に対してまともに取り合った人はいませんでした。被害者が初めて取り合ってくれたのです。
Q 被害者はどのような対応をされたのですか。
A 被害児を抱いた被害者は,被告人が作業をしに来たと誤解し,被告人を優しく中に入れてくれました。この予想外の対応に,被告人は引っ込みがつかなくなってしまいました。
Q 被告人は,強姦目的で,被害者宅に上がり込んだのですか。
A 今述べましたように,そうではありません。
Q 被害者は被告人に殺意をもって殺されたのですか。
A そうではありません。
被告人は殺意をもっていませんでした。
被告人は,優しく応対してくれた被害者に,失った実母の面影を感じ,甘えさせてほしい,優しくしてほしいという気持から,後ろからそっと抱きつきました。ところが,被害者から予想外に激しい抵抗を受け,被告人は,なんとかしなければと必死に押さえつけているうちに,意図せずに右手で被害者の首を押さえてしまい,被害者を窒息死させてしまったものです。
Q 被害者は,被告人に強姦されたのですか。
A そうではありません。
たしかに被害者を死姦したことに争いはありません。
しかし,被害者の死は,被告人にとって,母親の死の状況を思い起こさせるものでした。母親の死のときには何もできなかった被告人は,母親を何とか復活させたいと考えました。そのために被告人が考えついた儀式が性交だったのです。
精神的に未発達な被告人は,「性交することで再生する」と思いこんでいました。当初の鑑別結果でも,同様の記述が見られます。
Q 弁護団は,見ず知らずの女性を殺害強姦したことを「死者を復活させる儀式」と主張していますか。
A すでに述べましたとおり,被告人には殺意も強姦の意図もありませんでした。
被害者に対する死姦は,被告人にとっては,母親の復活への儀式であったのです。
Q 「母胎回帰」「母子一体」ということを言われていますが,どんなことですか。
A 当時の被告人の人格は著しく幼い状態でした。被告人は,幼い頃から父親の激しい暴力にさらされてきました。被告人は,その恐怖の中で,精神的に抑圧されて育ち,母親と依存状態(一体感)を強めました。ところが父親の暴力は母親に対しても激しく加えられ,母親は,被告人が中学校1年生のときに首を吊って自殺しました。被告人は,母親という唯一の庇護者を失い,父親の支配に直接さらされることになり,精神的に発達する機会を失いました。
母胎回帰とか母子一体というのは,被告人が在りし日の母子依存,お母さんに甘えたい,永遠に一緒にいたい,お母さんから愛され受け入れられたいという心情をずっと維持したいという状況を意味しております。
Q 被害児は頭から思い切り床に叩き付けられているのですか。
A そのようなことはありません。
捜査機関がそのような自白調書を創作したにすぎません。法医鑑定によれば,被害児の頭部には頭蓋骨骨折等の痕跡は無く,後頭部から床に叩きつけられたという事実は否定されます。
Q 弁護団は,被害児を床にたたきつけたのは「ままごと遊び」と主張していますか。
A 弁護団が「ままごと遊び」と述べたのは,被告人の戸別訪問行為です。本件行為に先立ち,被告人は,当時勤めていた会社のネーム入り作業服を着て,さらに会社名まで名乗って各室を訪問していました。
被害者を死に至らせた行為,被害児を死に至らせた行為を「ままごと遊び」と主張したことは一度もありません。
Q 被害者を仰向けにして頚部を両手で絞めつけたのですか。
A そのようなことはしていません。
被害者の死体の痕跡に基づく法医鑑定によれば,そのような事実は否定されています。
Q 被害児は紐で何をされたのですか。
A 被害児の首に紐が2重に巻き付き,ちょうちょう結びされていたことは事実です。しかし,被告人は捜査官に言われてはじめて,被害児の首に紐が巻き付けられたことを知りました。気が動転していた被告人は,被害児の首に紐を 2重巻きした行為を記憶していません。
Q 被害児を動けないようにして紐で絞めたのですか。
A 被告人は,そのような行為をした記憶はありません。被害児の死体についての法医鑑定によれば,検察官が主張するように紐を力一杯絞めた事実は否定されます。
Q 被害児の首を紐で絞めあげたのは「謝罪のつもりのちょうちよう結び」と主張していますか。
A 被告人も弁護人も「謝罪のつもりのちょうちょう結び」とは主張していません。弁護人は,泣き悲しむ弟への兄ができるせめてもの償いの印であったのではないかと見ています。
もっとも,被告人自身は,被害児の首を紐で絞めた事実については記憶しておらず,法医鑑定によれば,力一杯に絞めた事実はありません。
3 弁護団についての疑問
Q 21名の弁護士は,どうして弁護人になったのですか。
A きっかけは様々ですが,各自が自主的に判断して参加したものです。
Q どうして21名という大弁護団になったのですか。
A 21名となった経緯は上述のとおりです。しかし,それでも決して多くはないと考えています。
上告審弁護人が事実解明の必要性を訴えたにもかかわらず,最高裁判所は,それを吟味しようともせず,検察官による上告を受け入れ破棄差戻しをしました。また,被害者遺族の厳罰を求める訴えや,それに同情する国民世論の凄まじさがこの最高裁の判断に少なからず影響を与えたことは否定できない事実でした。したがって,差戻審では,最高裁の意を受け,事実解明がなされることなく形だけの審理がなされるおそれが予想されました。
そのような中で,これまで全くなされていなかった法医鑑定,犯罪心理鑑定,精神鑑定などにより,真実を解明することは大変な作業なのです。
Q マスコミでは,21名の弁護人対被害者遺族という図式で報道されていますが,これについてどのように思いますか。
A 私たちが求めているのは,事実に基づく公正な裁判です。被害者との対立構造を煽る報道は残念です。
Q 21名の弁護人には,全国の弁護士,例えば札幌や仙台などの弁護士がいるようですが,21名の弁護人はすべて実働しているのですか。
A はい,そのとおりです。
Q どのように弁護団の費用を調達しているのですか。
A 弁護人が各自で負担しているほか,不足分は,弁護団以外の弁護士から,カンパを受けてまかなっている現状です
Q 21名の弁護士は,ボランティアですか。
A 無報酬で働くことをボランティアと言うのであれば,本件については全員ボランティアです。
Q どうしてボランティアまでして,被告人を弁護をするのですか。
A 本件事件につき十分な弁護がなされる必要性を認識し,弁護士の職責から,報酬の有無にかかわらず本件の弁護に従事すべきという考えからです。
なお,弁護士活動には幅広い分野があり,弁護士会の委員会活動はもちろんのこと,それ以外にも,弁護士が無報酬で活動する機会は限りなく多く,刑事弁護においても例外ではありませんので,本件にのみ特殊な事情ではありません。
Q 死刑廃止の運動のためにしているのですか
A 本件刑事弁護は,死刑廃止の運動のためにしているのではありません。弁護団は,本件の弁護活動において死刑廃止の主張をしたこともありません。
Q 21名の弁護人は死刑廃止論者ですか。
A そうではありません。廃止論者も存置論者もいます。また,死刑制度の問題点について国民的議論が尽くされるまでは死刑の執行を停止すべきであるという考えの弁護士もいれば,死刑の適用範囲について謙抑的であるべきという考えの弁護士もいます。
Q どうして差戻し前の弁護人は,最高裁までの7年間も,差戻審の弁護団のような主張をしなかったのですか。
A 私たちは,回答すべき立場にはありません。私たちが言えることは,これまでの裁判において審理が不十分であったということだけです。
4 被告人の態度への疑問
Q 被告人の態度が悪いといわれていますが,被告人は,差戻審前に被害者や遺族を侮辱したことがありませんでしたか。
A 通常の少年事件の場合,その少年の精神的な未成熟性を考慮して,専門的な知見に基づき処遇する中で,少年も事件に向き合い,被害者遺族や被害者に対する順罪の意識が真に根付いて,更生へと至るものなのです。
しかし,被告人の場合は,犯行当時の人格特性や精神的に未発達な状況のまま放置されており,また,更生に向けての処遇などは一切なされていません。自己の行為に直面し,自分がどういう生い立ちをし,何を課題として抱えているのか,あるいは解決していないのかを,丁寧に寄り添いながら処遇されなければならないところ,そのようなことが全くなされてはいませんでした。
したがって,被告人自身が,反省をしていても,その表現の仕方が分からないことに加えて,被害者遺族がどういう思いをしているのか相手の立場に立って考え,被害者遺族を傷つけないで自らの気持ちを表現するにはどうしたらよいのか,などの配慮を欠いていた状態であったことは否めません。
Q 被告人は本当に反省しているのですか。
A 被告人には,事実と向き合うことによって,反省の情が芽生えています。
ただ,被告人の人格レベルや精神的に未発達な状況から,被害者遺族や世間に受け入れられるまでには至っていません。
自己の行った行為を振り返り,事実に向き合って初めて反省が可能になると思われますが,被告人は,上告審の最終段階になり,初めて被告人に記録が差し入れられ,自分の行動を振り返り,事件に直面しようとしはじめたばかりなのです。それまでは,悲惨な結果から大人が考え出したストーリー,つまり検察官の起訴事実が一人歩きしており,被告人には事件を振り返り,自ら向き合うという機会が奪われていました。
そういう意味で,現在の差戻審では,被告人は事件に向き合って,事実を語らなければなりません。その上で,被告人は,逃れることのできない事実に自ら直面して,徐々にではありますが,内省が深まっていくものと思われます。
Q 被告人が,差戻審の法廷で被害者の遺族を睨んだといわれていますが,そんなことがあったのですか。
A そのような事実はありません。
Q 被告人は,死刑判決の可能性が出てきて,表面的には反省しているということを装っているだけではないでしょうか。
A そのようなことはありません。被告人はようやく事実に向き合い,反省する素地ができたのです。
5 被害者遺族について
Q 被害者遺族の方々の苦しみについては,どのように考えているのですか。
A 本件は,きわめて不幸で悲惨な事件です。被害者ご遺族の苦しみを,私たちが分かったかのようにして語ることは許されないと思います。
私たちができることは,弁護人の立場から,事実を一つ一つ解明し真相がすべて明らかにされるよう努力することです。私たちは,弁護人の役割を果たすことでしか,被害者ご遺族に向き合うことは許されないと思っています。
また,精神科医のA氏は次のように言っています。
「被害者の遺族の苦しみは大きい。殺害事件に遭遇したとき,被害者遺族は,当初はそれを認めず,次には加害者を非難して,非難しなければ被害者に顔向けができないと感じることもある。そして,自らに責任がない場合でも自らを責めてしまうこともある。しかし,裁判は終止符にはならない。被害者遺族もこれからを生きていかなければならない。そのためには,自らを責めるのではなく,生きていっていいのだということを社会全体が受け止めることが大事だ。」
6 死刑判決は当然ではないかとの疑問
Q 被告人はお母さんと幼い児童を殺してしまったのですから死刑判決は当然ではないでしょうか。
A 過去の判例によれば,本件のような事案が死刑相当となることはありませんでした。また,被告人が故意に被害者と被害児を殺害したかどうかが争点となっていますので,死刑を科す前提の事実が確定していません。
本件事件当時の被告人の成熟度,人格的問題等を十分に理解した場合,死刑判決が当然とは言えないと考えています。
7 懲戒請求への疑問
Q 本件では21名の弁護士に対して多くの懲戒請求がされていると聞きますが,弁護士が懲戒となるのはどのような場合ですか。
A 弁護士が犯罪を犯したり,弁護士の品位を失わせる非行を行ったような場合です。
Q 懲戒請求することで刑事責任を問われることはありますか。
A 懲戒処分を受けさせる目的で虚偽の懲戒請求をすると,虚偽申告罪の対象となりえます。
Q 懲戒請求することで民事上の責任を問われることはありますか。
A 通常の注意と調査をすれば懲戒請求に理由がないことが容易に分かるのに,あえてこれを行った場合には,損害賠償責任を負うことがありえます。
Q 弁護団に対する今般の懲戒請求についてどう評価していますか。
A 私たちの弁護活動は,必要かつ適切なものです。この懲戒請求で懲戒処分がなされるということは,およそ刑事弁護をしてはならないということであると確信しています。
テレビなどを通じて,タレント弁護士による「自分は10件くらい懲戒請求されているが,これをされると大変。みんなで懲戒請求してやりましょうよ。」との不用意な扇動発言や,検察官出身の弁護士らの偏った論評を鵜呑みにして,署名活動のような感覚で懲戒請求をなされた方がおられるとしたら,非常に残念なことです。
以上
■■引用終了■■
以上転載終了
2 以下今枝弁護士自身が寄せられたのコメントの一部です。 主要部のみです。
被害者・遺族の気持ちを考えていない、という批判に対し、誤解され得ることを承知で、正直に気持ちを述べます。
私は、前述のように自分自身事務所を拳銃で銃撃するという被害に遭いましたし、裁判所刑事部事務官、検察官、刑事弁護人の職務を通じ、何十・何百という被害者の方と話をし、その法廷供述を目の当たりにし、何百・何千という供述調書を読んできました。
不謹慎に思われるかもしれませんが、仕事がら死体の発見状況、解剖状況を見ることも多く、ご遺族のやるせない気持ちに触れることもたくさんありました。
その課程で、図らずも不覚ながら涙を流したことは数えきれません。
本件も特にそうですが、それ以外にも、松本サリン事件の現場記録には胸がつぶれる思いをしました。
普通の生活の課程で、突如サリンによる攻撃を受けた人は、何が起こっているか分からない状況で苦しまれ死に至っており、その状況からそれがはっきりと分かりました。
通常の事件では、被害に遭った方が亡くなっている状況だけですが、その現場付近は、ありとあらゆるすべての生き物が、死んでいました。池の魚は浮き、鳥は地に落ち、アリは隊列のまま死に、まさに地獄絵図とはこういうものか、と感じました。
そして、無くなった方々の生前の写真、友人らの追悼の寄せ書き、それらの資料からは、突如として亡くなった方々の無念や、ご遺族・知人らの残念な思い、怒りは、想像を絶するものと思われました。
私は、日常の生活とは無関係なところで起きている事件の、マスコミ報道を見て怒っている方々の多くよりはきっと、職務経験的に、被害者やご遺族らのお気持ちを、もちろん十分理解したとまでは言えないかもしれないものの、少なくとも触れて目の当たりにし体験しています。その壮絶さは、ときには肌を突き刺す感覚で身を震わせます。
職務の課程で、もし自分や家族がこういう被害に遭ったらどう思うだろうか、同じような被害に遭って果たして加害者の死刑を求めないだろうか、という自問自答は、それこそ毎日のように私の心を襲います。そしてときには苦しみ、ときには悩み、日々の職務を遂行してきました。正直に言いますが、自責の念にとらわれて煩悶することも、ありました。
しかし、対立当事者間の主張・立証を戦わせて裁判官が判断する当事者主義訴訟構造の中での刑事弁護人の役割は、被告人の利益を擁護することが絶対の最優先です。
むやみやたらに被害者・遺族を傷つけるような行為は自粛すべきものの、被告人の権利を擁護する結果、被害者・ご遺族に申し訳ない訴訟活動となることは、ときには避けられません。
そういう衝突状況で、被害者・ご遺族を傷つけることを回避しようとするばかりに、もしも被告人に不利益が生じた場合は、刑事弁護人の職責は果たしていないことになってしまいます。
被害者・ご遺族の立場を代弁し、擁護するのは検察官の役割とされています。それが当事者主義の枠組みです。
典型的な例は、被害者が死亡しているのが明らかな場合に、被告人が「自分は犯人でない」と主張し、それに従って弁護するときです。
ご遺族からすると、検察官が起訴した以上その被告人が犯人であり、犯人が言い逃れをするのは許し難く、被害感情を傷つけることになります。
しかし弁護人は、被告人が「自分が犯人でない」と主張する以上は、その言い分に従い(証拠構造上その言い分が通るのが困難であればそれを説明し議論した上で最終的には従い)、被告人が犯人ではないという主張・立証を尽くさなければなりません。
その場合、職務に誠実であればあるほどご遺族を傷つける可能性もありますが、それをおそれて被告人の利益を擁護することに手をゆるめてはならない立場にあります。
以上一部
誤解避けるため、よければ原文をお勧めします。
http://tknr.net/mt/archives/200708/15-1017.php 原文はコメント7です。
3 今枝仁弁護士(光市事件弁護団の一人、橋下弁護士を提訴した原告の一人)の説明
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_288f.html
4 弁論趣旨
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/column10-benron.htm
5記者会見動画
http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00348/v01642/v0164200000000382712/
6 情報提供について 弁護団の一人の方(今枝さん)より
一部引用
「情報提供についてですが、これまで弁護活動上の情報開示としては、弁論要旨や更新意見書等の書面を配布して記者会見をする程度が一般的であり、かつ、それで十分とされていました。」 引用終了
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_f553.html
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_68cb.html
7 弁護団参加
死刑廃止主張したくて全国から集まったという社会の声とはちがうようです。
以下一部引用 「最高裁の弁論欠席後、社会からバッシングを受けている足立弁護士の憔悴しきった姿を見て、事件が広島高裁に差し戻されたときに、負担と批判、リスクを広く分担するために、広島で何人かお手伝いしようという話になったときに、多くの弁護士は断りましたが、私は他人事として放置することができませんでした。」 以上
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_8ff1.html
8 手紙について
一部引用 「これについては、旧2審判決で、「しかしながら、被告人の上記手紙の内容には、相手から来たふざけた内容の手紙に触発されて、殊更に不謹慎な表現がとられている面もみられる(少年記録中では、被告人が、「外面では自己主張をして顕示欲を満たそうと虚勢を張る」とも指摘されている)とともに、本件各犯行に対する被告人なりの悔悟の気持ちをつづる文面もあり」とし、被告人なりに一応の反省の情が芽生えるに至っていると評価しています。』 引用終了
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_502b.html
9 なぜ欠席したのか
以下引用
『 「人がいままでとは違ったことを言っているという場合には、必ず、弁護を準備するに足る十分な準備期間を弁護人に認めていたわけです。」 』 以上一部引用
裁判所は延期を認めなかったそうです。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/hikari1.htm
10 改正された法律により問題発生
以下引用
『 たとえば今回のケースでもそうですが、裁判所は、旧弁護人が、やっぱりもういっぺん弁論につ
いて見直したいから時間をくれと言っても、すでに上告趣意書に対する答弁書が出ているから、
「そのとおりです」と言えばいいのであって、時間をかけて弁論を準備する必要はないと言うわけ
です。裁判所は、その程度にしか弁護の必要性を認めていないのです。ですから、国選弁護人
が今日選ばれたとしても、翌日、いくらでも、裁判をやっていけるわけです。つまり実質的に弁護
人の存在しない裁判がすでに用意されてしまっているんです。これが実は被告人・弁護人にとっ
て致命的な制度なんです。弁護人が被告人の権利の擁護をめぐって裁判所と対立し、その権利
を何としてでも守ろうとする姿勢を示したとたんに、裁判所の言うことを聞く弁護人に変えられてし
まうシステムを作り上げられてしまったのです。 』 引用終了
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/hikari5.htm
11
今枝仁弁護士のコメントの転載
http://www.yabelab.net/blog/2007/09/09-231959.php
コメント5に人柄紹介があります。
以下引用
『 広島県警が、犯罪被害者支援センターを設立するときに、ふだんは対立している今枝弁護士に、役員就任を要請したのは有名な話です。
警察からそれほど信頼される弁護士がどれほどいるでしょうか。』
引用終了
追加1
人権派弁護士
以下引用
「『僕自身は「人権派弁護士」であってはならないと思っていますし、「人権派弁護士」と称される人達と 一緒にしてもらいたくないという自意識があります。
終了
原文はこの中です。 http://hizjihizji.blog85.fc2.com/blog-entry-339.html
追加2
今枝さんが開設されました。
http://beauty.geocities.yahoo.co.jp/gl/imajin28490/view/20070920/1190217611
こちらは橋下弁護士のです。本人のブログです。正確に伝わるようにできれば直接各ブログをお読みください。
弁護士法56条1項「所属弁護士会の信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行」だそうです。
http://hashimotol.exblog.jp/6239898/#6239898_1
http://www.hashimoto.lawyers-office.jp/
以上引用終了
15
http://hashimotol.exblog.jp/6239949/
集会の出席が弁護士のみで、なぜ市民に説明しないのかというものです。
弁護団の一人の報道のコメントは6です。
一言で言えば、被害者・国民に対しての説明義務違反 |
http://hashimotol.exblog.jp/6258733/#6258733_1
http://hashimotol.exblog.jp/6259063/
弁護団の非常識
http://hashimotol.exblog.jp/6366720/
追加です。懲戒請求された方へ
http://hashimotol.exblog.jp/6491573/
19 鑑定です。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/column10-kantei.htm
当事者発信情報 集めました。
マスコミのは演出・編集が入ります。一度それらの先入観よけて、当事者発信情報でみてみませんか?
遺族の方のマスコミでない直接本人書き込みとかのコメントはみつかりませんでした。
なお、ご注意ですが、弁護団は最初の裁判と今の裁判中の弁護団とは入れ替わりがあるそうです。コメントくれた今枝さんは最高裁のがおわり、現在の裁判からの参加です。弁護団非難は全部ひとまとめになっている傾向です。懲戒請求は個々の弁護士に対する処分になりませんか?
一部弁護士の方はこの件に限らず、いままで、なんどかおおきな社会問題になるような事件で、職業の誇り・使命からなのか、弁護されることがあるそうです。
http://search.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/higaishashien/higaishashien_f.html
(例えばこの前取り上げた難民でも手弁当で(政府からの支給対象外)、弁護活動される人とか)
「枝葉が腐ってるから幹ごと切り倒せ」 という言葉が文にありました。いい弁護・いい裁判にしていくならこのような、報道や世論でなく、問題がある枝があればこういうふうにしたら?という提案なら進歩があるでしょう。
演出されたテレビ報道にも問題あるようです。何度かとりあげたように、報道には誤解あたえる表現も一部あります。報道と受け手の市民を考えてしまいました。
死刑制度是非とかの自説・議論はご遠慮願います。
当事者ではありませんけど。
江川さんのブログです。わりとわかりやすいです。
http://www.egawasho ko.com/c006/000235.h tml
元検弁護士さんのつぶやきブログです。
なかなかしっかりと書かれています。内容は難しいですけど・・。
事実認定について
http://www.yabelab.net/blog/2007/09/11-234842.php
問題は単純ではない
http://www.yabelab.net/blog/2007/09/10-200257.php
刑事弁護
http://www.yabelab.net/blog/2007/09/07-222211.php
裁判員制度と安田弁護士的弁護
http://www.yabelab.net/blog/2006/03/19-100242.php
by ayu15 (2007-09-14 12:33)
http://fukutomim.iza.ne.jp/blog/entry/246085/
記者の方のです。
by ayu15 (2007-09-21 12:09)
弁護士が依頼者に対して保証するべき「利益」というのは、「法が適切に執行されること」であって、言い換えれば「不当に重い刑罰を防ぐ」ことなのです。そして、それは『被告人の真摯に反省する態度と気持ち』を求め、二度と同じ過ちを繰り返させないように尽力することでもあります。
安田弁護士がマズかったのは、本村さんの気持ちを逆撫でした点にあります。「蝶々結び」とか「あやしていた」とか、挙句の果てに出廷もしなかった件もあり、「死刑を回避するために、本村さんを苦しめる権利がお前にあるのか!」というのが、大部分の人の気持ちだと思います。
プロの弁護士からすれば、不当とはいえないという考えも成立すると思います。懲戒請求が適切なのかどうかは、私にはわかりません。ただ、やり方があまりにも被害者遺族の気持ちを弄ぶようなものならば、それはそれで批判されてしかるべきでしょうし、懲戒を求める気持ちも出てきてもおかしくはない。
今枝弁護士の失策は、その安田弁護士の「被害者遺族を弄ぶ」と見られる行動に同調していると誤解される動きをしたことです。
『李下で冠を正さず』ということわざがあります。正当な裁判活動ではないというならば、それを堂々と表に開陳すべきです。
「私は被害者本人やその遺族の気持ちを理解できる。犯罪は許せない。だから、被告人も真摯に反省すべきだ。ただ、だからといって、裁判を公正にしなくてもいいというのではない。それはそれで正すべきなのだ。」
これをもっと早く開陳していれば、このような誤解を受けなくても済んだのにな、と残念です。
by wakuwaku_44 (2007-10-02 16:26)
http://sok-sok.seesaa.net/article/59647055.html
直接ではありませんが、とてもていねいにかかれれいます。sokさんのです。
by ayu15 (2008-02-17 21:25)
参考までに
場外乱闘事件でなく、裁判そのものの当事者の方の手記が載ってます。http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071026/crm0710260938005-n1.htm
by ayu15 (2008-05-04 11:59)