明治おばけ暦 [おはなし]
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明治おばけ暦
山本むつみ さん作です。
明治の改暦を、明治初期の有名無名の人々の行動を通して、政府の都合で改革が行なわれて、そのしわ寄せの憤りの矛先が見えない弱者の不安などを お芝居調に描かれています。
お話
暦問屋の若旦那は芝居が大好き!商売そっちのけでせっせと劇場通いしてます。親はしっかりしてます。暦問屋は堅実商売で、ヘマしなければ安泰です。確実に売れるんです。
時は1872(明治5)年11月9日のことです。明治政府が、それまでの太陰暦(旧暦)をやめて太陽暦(新暦)を採用するという詔書を布告し、明治5年12月3日を明治6年1月1日とすることになりました。
暦をお店に卸して、後は新年まつばかりという時にいきなり暦がかえられてしまったんです。ものすごい大損害うけました。親は自殺を図ります。
ところが、暦をお店に卸して、後は新年まつばかりという時にいきなり暦がかえられました。ものすごい大損害うけました。親は自殺を図ります。
これまでの自由な雰囲気から、愛国心・富国さけんで、道徳介入しはじめます。自由に芝居も作れません。 再チャレンジで、芝居にかかわる元ドロボウさんも、これは大変だ。なんとかしなきゃと思います。芝居作者中心にいろいろな庶民があつまり、庶民の実情訴えようと、改暦で大損害をこうむった暦問屋の一家や、御一新の際に新政府に裏切られた赤報隊の生き残り、再チャレンジの元どろぼうさんらが、狂言作家の河竹新七(後の河竹黙阿弥)を中心、改暦の中心人物である太政官参議・大隈重信に訴えるために知恵をだします。
なんと主犯?の大熊公を丁重に「盗んで」、一夜の大熊公一人のためのお芝居を上演します。
以上
印象的なのが, このお話の中での大熊公です。庶民の言い分はわかった!といいながら、裏事情をここだけの話で、話ました。 富国強兵でお金がいる。幕府と戦争したから、財政がそこついている。今年は13ヶ月あるので、このままでは1ヶ月余分に人件費がいる!だから新暦にしたというんです。
国のことばかりで、苦しむ個々の人はどこにもありませんでした。大熊公を帰した後、怒るみんなを劇作者が抑えます。「それが政治家だ」と。
付録
明治6年の祝日です。
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年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム・・・明治六年
- (明治6年太政官布告第344号)
- 年中祭日祝日等ノ休暇日左ノ通候、此旨布告候事
- 元始祭 一月三日
- 新年宴會 一月五日
- 孝明天皇祭 一月三十日
- 紀元節 二月十一日
- 神武天皇祭 四月三日
- 神嘗祭 九月十七日
- 天長節 十一月三日
- 新嘗祭 十一月廿三日
- 新年宴會 一月五日
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