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覇権国アメリカと日本 [学問]

  政治学のお話です。国際政治学者大嶽さんの研究発表聞いてのものです。

大嶽さんによると、 戦後から30年たった1975年は転換期だったそうです。うちの記憶では世界大恐慌引き起こした、古典的市場原理政策が修正されて、国家による保護もある程度おこなうニューディル的政策がおおかったと思います。  75年ごろベトナムで敗戦、ヘルシンキ条約、イスラム原理主義の登場などがあるそうです。 圧倒的な軍事力、経済力ほこったアメリカの世紀は終わったように見えたそうです。日本はGNP1%枠の防衛力となりました。

ニクソン政権でニクソン・キッシンジャー外交が展開されます。大嶽さんによるとこの2人は長期的グローバルな視野をもつとも言われてるそうです。同盟国との協力関係、アメリカ道徳主義の批判などがあったそうです。これは敵と交渉や妥協しないで、力で抑えるというものらしいです。ニクソン政権は中国の脅威ちらつかせてソ連との条約交渉進めたそうです。
『ドルが低下したのもこのころですよね?一説では、反共意識がその頃強くて戦争で予算使いすぎたとか。何人かの人は、この頃こんどはニューディル式が行き詰まったと解釈してます』

 大嶽さんによると、その頃佐藤首相が「日本も核武装を!」なんていいだしたそうです
『え~そんなこと言ったんですか?』
核もつのは国家の権利と発言したそうです。真意は核武装でなく一流国と認められたいというものだったそうです。これをアメリカは核でなく、宇宙にしたらと提案して、アメリカの技術協力で宇宙に進出して宇宙条約に加盟できたそうです。人工衛星おおすみがそうです。日本核武装発言は米中交渉に利用されたそうです。米中和解に利用されて、正当化のために核もとうとしている危険な日本ができあがったそうです。そういう裏事情があってそうです。                                           『うちは、これ以降反日的社会ムードが形成された主要因のかもしれないなあと思いました。』
『正当化・大義名分て世の中いるんですねえ~。佐藤さん不満だったでしょうねえ』

 

 75年に文藝春秋に「日本の自殺」が載せられました。これが最初の新自由主義論文の発表といわれてるそうです。これを土光さんが読んだそうです。これ以降日本は改革ブームだそうです。これは世界的傾向だそうです。アメリカではウォーターゲート事件がおき、カーター大統領、レーガン大統領のブームが起きています。クリーンイメージのポピュリスト政治家が人気だそうです。
『うちは、イギリスかアメリカからだと思ってたんですが、新自由主義て日本発の理論なの!?』

 

 三木内閣で1%が決められます。飛行機や戦艦の数も制限されます。大嶽さんによると、これで安心感がうまれて自衛隊容認されていったようです。でもこれはアメリカとの協力は大前提だそうです。最新兵器も実はみかけだけで、実戦で使えない、情報分析能力がないなどで、米軍の手足でないと機能しない構造だそうです。使えない兵器ならんだおもちゃの兵隊だそうです。                    『うちは、「ずいぶん贅沢なおもちゃですねえ・・・。」と思いました。帳尻あわせだとしたら他にもっといいのなかったんでしょうか?』

 大嶽さんによると、陸上自衛隊にはナショナリストがおおくて、米軍の手足なのが不満らしいです。自分達で守りたいという思いがある人がわりといるそうです。でも今の構造では自主や軍事国は不可能だそうです。ドイツはNATO司令官の指揮下にあるので、軍事国になるのは不可能だそうです。ドイツ軍動かすのはNATOです。司令官はアメリカです。
『自衛隊の装備みて「戦争する国になる」なんて論理的には無理ということですよね?憲法以前に能力がないんですよね? でも仮に、あくまで無理やりこの状態を前提に戦争しようとしたら、道徳(戦前式)教育叫んで・批判する人叩いて、精神論・根性論でかためるでしょうねえ。』

 

 中ソ対立は武力衝突にまで発展したそうです。まさしく戦争の危機があったようです。ソ連は核使用をちらつかせたそうです。プラハの春のようにソ連が侵攻するとマジで危機感かんじたそうです。ソ連も中国が核使うかもしれないから先に先制攻撃しようという声も出てたそうです。
 ソ連は東西から挟み撃ちになるのを恐れたそうです。中国も米ソの挟み撃ちを恐れたそうです。
 こういうパワーゲームで、米中接近がおこなわれて、その理由に日本の核武装発言が利用されたそうです。軍事大国化防ぐのは憲法ですが、これはただの国内法です。改憲叫ぶ政治家もいるので、危険です。アメリカはだから安保条約で軍事大国化ふせいでると主張したそうです。日本帝国主義復活論で米中が一致したそうです。
 『なるほど~。ありえそうな感じです。よく「外交はパワーゲームだ!」と聞きます。「軍事力は戦争のためでなく、このパワーゲームを有利に進めるためだ!」という意見もきいたことがあります。』
 当時の佐藤首相が「韓国、台湾の防衛に日本が寄与」という発言したそうです。真意は「沖縄の基地を米軍に提供します」で、それを政治的配慮で遠まわしに発言したそうです。でも自衛隊を送り込むのではとうたがわれますます軍事大国の脅威をあたえたそうです。
 『本音いったら国内問題になったでしょうねえ。「配慮」の結果反日運動形成に加担させられたことに???  』

 

 アメリカでは早くから日本のナショナリズムに対する強い警戒があるそうです。その反面アメリカ財務省中心に安保ただのり論もあり、軍事貢献求める声もあります。

 

 日本ナショナリズム、軍国主義復活論で米中接近は佐藤総理にはかなりショックだったそうです。政策転換せまられて軍事抑制政策を始めたそうです。これが坂田路線です。日中の国交樹立までしました。でもこの内容がうまくなかったそうです。アメリカは台湾との国交も安全保障も継続しての中国との国交ですが、日本は台湾を切ってしまいました。大嶽さんは日本は、交渉が下手だったのでは?とみていました。 
『 「大事な親日国を切ったことは問題だ」と指摘する人もいました』

 

 76年の選挙ではカーターさんもレーガンさんもニクソン・キッシンジャー路線を非難したそうです。長期的でなく、今すぐの正義を求めたそうです。

 

 ソ連経済の流れは、 60年代まで量的拡大のみを指向・利潤概念導入が話題・指令経済から企業の自主性が議論されたそうです。68年プラハ事件で経済改革挫折したそうです。70年代 は 経済の停滞が明白化・労働規律の弛緩したそうです。80年代初めは 石油価格急落・農業が壊滅・乱開発による環境問題がおきたそうです。

ソ連は軍拡路線 、 海軍力の飛躍的拡張だったそうです。アフリカでキューバに代理戦争させる。エイオピア・ソマリア援助・中国に対抗する「覇権主義」10の国がマルクスレーニン主義国名乗るなどです。今話題のアフガニスタンで親ソ政権対アメリカ支援のイスラム原理派の対立に介入して、アフガニスタン侵攻しました。  
『やはり外国軍のアフガン侵攻は判断ミスなんでしょうか?』

 

 ヘルシンキ協定に人権が入りました。当然、政権は国権が弱くなるので人権には消極的だったそうです。でもあからさまに反対できなくて、入れられる事になったそうです。これにより反体制知識人は勇気づけられたそうです。                                                  『それ聞いてうちは、「どっかの国である反体制的論評への袋叩き世論はソ連的になっちゃうかも。その国がソ連みたいな政権支持世論による叩き社会になりませんように。」とふと思いました。』

 

 そんな中レーガン政権が誕生しました。                                    『 これは別の人がいってましたが、歳出削減・保護を制限・社会保障に消極的路線だったそうです。社会保障をはじめいろいろ削減して予算うかせて軍事費につぎ込んだようです。』

当時コンピューター技術はアメリカのほうが優位だったそうです。大嶽さんによるとレーガンさんは確信的に軍拡競争しかけたようです。赤字だしながらもどんどん軍事に予算投入しました。ソ連も対抗してさらに予算投入したのでしょう。経済体力の弱っていたソ連はそれで破綻してしまったようです。

レーガンさんの目論見どおりで見事な勝利だったのでしょう。                         『いろいろな方の発表でありますが、別の経済学のお話でそのつけはちいさくなくて、膨大な双子の赤字つくり財政建て直しどころか、悪化させたそうですけど。でも軍拡別にしたら国の財政はよくなり立て直したといえるという意見もありました』

 

 再び大嶽さんのお話で、パニック状態のソ連にゴルバチョフさんが登場します。彼は政治改革なしに経済改革はソ連ではできないと考えたそうです。そのため経済はしばらく改善しませんでした。ソ連市民からは厳しい評価がありましたが、世界からは高い評価があったようです。

中国の天安門事件は弾圧政治で有名ですが、これはソ連が反面教師だそうです。ロシアは結局プーチンさんの独裁政治へとすすんでしまったと大嶽さんは言ってました。                     『ロシアて社会秩序唱えて弾圧をはじめたのかも??威圧的内政や、周辺への圧力とか(チェチェンなど)』  

 

 ポスト冷戦で、ソ連崩壊後の抵抗勢力はイスラム原理主義だそうです。

これをおさえるためにアメリカとロシアの協力路線がいるそうです。その反面、チェチェン、チベットなどにみられるように帝国主義でアメリカの覇権に対抗意識もあるようです。
『ロシアはあちこちに領土問題かかえていると誰か言ってました。』

1990年イラクのクウェート侵略に始まる湾岸戦争では米露協力がうまくいった例らしいです。ポピュリストの手法でうまく世論丸め込み支持獲得に成功しました。短期間で犠牲者最小限で、成果をあげたようです。

 膨大な戦費調達にサウジアラビアに支払い要求したら、外貨使い果たしてたので、日本に出させたそうです。財源に臨時増税があったそうです。 レーガン政権で深刻化した財政危機のアメリカは戦争するのには他国の協力が必要です。本音ではドイツや日本が軍事大国化なるのは困るそうです。「人ださない」と世論の叩きにあうのは好ましいそうです。軍事貢献しなさいという世論圧力と、憲法でできないという制約、だからおかねを他よりたくさん自主的にだしてくるのがもっとも都合いいと大嶽さんが言っていました。
こういうお話です。

 

  てことは、このはなしから想像すると、国際貢献だ!といいもめてるのはアメリカのためということになりませんか?130億ドルもだしたのに使い道の決定に関われていません。これ大問題だと思いませんか?巨額の税金投入するなら、当然国会や政府に使途にたいするなんらかの決定権は必要でしょう。そしてそれを検証する仕組みと権限が必要でしょう。(巨額の資金だしても発言権のないかわいそうな日本政府?)これこそ1円単位の領収書もほしいぐらいです。(無理でしょうけど)民間で巨額出資らら見積もりや使途の会計報告ありと思いませんか?

 

大嶽さんの著書がでていますので、うちの記憶は当てにならないので、詳しく知りたい方は原著どうぞ。

 

関連・参照日記     権力と館      平成コロシアム        影を語る   
反小泉さんの安倍政権?   現代日本政治の分析     民営化の盲点?          
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mai

ayu15さん
読ませていただきました。たいへんな力作です。政治・経済のにわか学生である私は、頭のなかが大混乱状態です。大嶽さんの本も入手して読んでみます。為替の勉強でアメリカの収支(大赤字)を見ていると、これだったらアメリカは日本からお金をもらいたい(取り上げたい?)だろうなあ(無理もないかも?)と実感しました。
by mai (2008-02-14 19:47) 

ayu15

反日的世論は米中接近のために意図的とはびっくりです。
もう一つ大嶽さんのをとりあげています。
by ayu15 (2008-02-14 20:10) 

wakuwaku_44

残念ながら、記事の内容は「半分正解・半分間違い」です。
国際政治はそんなに単純なものではありません。

コメントが長いといわれたので、これで終わります。
by wakuwaku_44 (2008-02-14 20:52) 

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