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チンパンジーに学ぶ [学問]

    よければ読んでくださいね♪
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 比較認知科学のお話です。
先進国(G8の国)で唯一サルがいるのが日本だそうです。人間以外の霊長類では最北端だそうです。
雪の中のサルていうのは世界的に珍しいそうです。

 以前はサルとチンパンジーは親戚というか仲間のように思ってましたけど、それは違うんです。チンパンジーとサルはちがうんです。チンパンジーはゴリラとともにヒト科です。チンパンジーは生理機能はほとんど人間と同じだそうです。いろいろな点で人間と似ているそうです。
『知らなかったわ~!』
 人と他の生物(自然)という概念がありますが、本当は、チンパンジーは他の生物よりはるかに人間に近いていうか、生物全体からみたらほとんど人間と一緒だそうです!
『えぇ~~~!』
科学の発達で私達は祖先をある程度知ることができます。骨や歯から外見や身体が推測できます。でも脳や心は残らないんです。唯一手がかりを与えてくれるのが同じヒト科のチンパンジーなのかもしれません。
  ゲノムと言うのがあるそうです。これは全遺伝情報のことだそうです。2005年にチンパンジーの全部のゲノムが解読されたそうです。なんと人との違いはわずか1.23%だそうです。人同士の個人差は0.1%だそうです。人とサルの違いは9%ぐらいだそうです。
ゴリラより人に近いようです。
興味深いのは稲(植物)と人間が約40%も同じだそうです。
『これはびっくりです』

 
 チンパンジー研究には参与観察法が用いられました。本来の姿に近い状態にするそうです。チンパンジーは母親に育てられなければいけないそうです。
チンパンジーの子を親から引き離して、芸仕込むのは止めて欲しいそうです。「そういう番組はみないように!」と言っていました。
こどもの頃は顔が白く大人になると黒くなります。4~5歳まで母親のおっぱいで育ち母の愛を受けて育ちます。次の出産はそれからになります。



 ★ チンパンジーの学習

テスト
1 いろいろな色が画面にでます。出た色にあう漢字をおすんです。青色でたら青とかいた漢字のところ押すんです。なんなくやってます。
2 数字を1から順に9まで押します。これも6ヶ月でできます。

記憶力テスト
1~9の数字が表示されてすぐ消えます。表示時間はわずか0.7秒です。驚く事に、表示きえてるのに迷うことなく1~9まで順に押せるんです。少なくとも10秒は記憶が残っているようです。
院生2人がやりますが、5つでもできませんでした。
報酬なくても結果はでるそうです。でも研究効率のために報酬は用意されています。

これをどう解釈するかです。

瞬間記憶と言語を考えてみます。レインマンという映画があります。ここで出てくる人は数少ない瞬間記憶の高い人です。すごぃです。でもこの能力は日常生活でどのくらい役にたつんでしょう?うちには考え付きません。

チンパンジーは森の中で暮らします。食料など生活に必要なものは自然の中から手に入れます。外敵もいます。人間よりはこの能力使う場面がありそうに思えます。
PCならなにか機器たしたら増量できるらしいです。でも脳には制約があります。一定の容量しかないんです。だから何か得るためにはなにかを失う事になるそうです。チンパンンジーはシマウマがみえたら、目に映ったものを瞬間記憶するけど、人間はシマウマがいたと言語で記憶するのではとも思えます。

学習では自分の働きかけで何かを得られます。そこに自主性や自由があります。普通の動物園だと時間がくると必ずもらえます。でもそれ以外はもらえません。管理されているともいえるかも?

『うちは記憶力も視力(短時間認識)もよくないです。多分悲惨な成績でしょうねえ・・・』
『人間には瞬間記憶より優先される能力があるほうが便利ということなんでしょうか?それはなんでしょう?』



 ★ 教育
 今では東京化された日本ですがもともと各町でそれぞれ文化があったようです。チンパンジーにも固有の文化があるそうです。もっとも町はないので、集団のいる森でしょうけど。
ギニアのボソゥのチンパンジーの人達は石器を使います。道具を使うだけでなく作るんです。自然にあるものだけでそうするんです。これには教育が必要です。ここのチンパンジーの教育はどんなんでしょう?
学習のしかたは、大人の様子をみることです。そばにへばりついてみています。親は決して「じゃまだ!」なんてしません。
やがてまねし始めます。もちろんうまくいきません。教育には「こうしなさい」はありません。親をまねる見習学習です。

チンパンジーの教育の特徴まとめると
1 手本示す
2 自発的にまねする
3 こどもに寛容(じゃけんにしない!)

こういう現象がありました。
親が石で固い木の実を割っています。子はその実を獲ります。親はまた割ります。子はまた獲ります。親は木の実を取りにそこを離れます。子は親のいない間石を使ってみます。
親は根気よくて確認しただけでも7回これを続けたそうです。


教化(母からもらえる)されるのに、なぜかこの行為は減っていくんです。人間の理屈では教化される(「甘え」で依存するようになる)はずだそうです。
もらうでは満足しないようです。「自分でやりたい」という気持ちがあるようです。

じゃあチンパンジー教育みて、人間ならどうでしょうか?
1教える
2手を添える
3認める(うなずく、ほほえむ、見守る)
3は人間らしいものだそうです。

砂場にはいると子どもは親をみます。親はうなずきます。
それみて子どもはこんどはスコップもってみます。
親の方を見ます。

子どもは認められたいとういう心理がはたらくようです。
『チンパンジー教育をまねしなさいというわけではないでしょうけど、興味深いです』
『そういえばスポーツとか理屈でなく、手本みて学習していく要素あることもありませんか?』




 ★ 人口問題
チンパンジーは5年ほどしてから次の子を産みます。40過ぎまで生み続けて平均50年は生きます。途中で死ぬ子も一定割合でいます。ちょうど人口が増えもしない減りもしないようになっています。うまくバランスが保たれているようです。

ところが絶滅危惧種に指定されています。なんで減るんでしょう?
その要因は主に3つだそうです。
1森林伐採  ・・・生息できる熱帯雨林がどんどん消滅しているそうです。岐阜県相当分が毎年消えていくそうです。すごい早さです。
2 密猟
3 伝染病・・・エイズ、マラリア、C型肝炎、エボラ熱、ポリオなどほとんどみんなうつるそうです。

『かならずしも森林伐採がぜんぶよくないわけではないそうです。でも熱対雨林に関しては「生物の半分がそこに生息しているのでは?」といえあれる重要なところだそうです。保護や保全の必要がありそうです』

『病原菌は昔からあったらしいですけど、凶暴化したのはなぜでしょう?保全でなく、無理な「開発」が関係していないんでしょうか??チンパンジーは凶暴化した病原菌から無防備かも』

ボソゥではわずか13人しかいません。絶滅すればボソゥの文化は地球上から消滅してしまいます。隣のリンバ山(世界遺産)は違う文化なんです。


 ★ 感情
人間と他の生物の違いに感情があると思います。これには脳が必要です。それもただ」あればいいというわけではありません。
(過去の日記から心理学関係のところお読みください)


チンパンジーは明らかに他の動物とくらべて喜怒哀楽があるそうです。やはり人間に近いゲノムがあるからでしょうか。死者への深い悲しみもあります。死んだ子を手放さない親も確認されています。
ニホンザルは目をみると睨み合いですけど、チンパンジーは親愛の情で目を見ることができるそうです。


 ★ 循環
チンパンジーは木の実などを木から得ます。木を消費します。消費して、種を排出します。この排出された種のほうが消費されてない自然の種よりよく育つそうです。
植物も動物の存在が必要なようです。
『 「消費するな!」でなく自然のサイクル考えて循環させる、バランス守るのは大事なのかも?』


 ★ 地域
研究には地域住民との関係が重要です。森の入り口のあちこちにトイレを作り森の中でなくそこを利用してもらうようにしました。学校もたてました。学問はいろいろな人が集まり肌ふれあい成り立っていくようです。


 ★ 余談
 たびたび取り上げる不適切な表現です。誤解偏見あたえる表現です。
サルの惑星という映画があります。これもその一つみたいです。
原題にはエイブが使われているそうです。 サルはマンキー(モンキー)で、類人猿はエイブだそうです。外見にていても明らかに両者は違うようです。
『え~、てっきりサルの惑星でいいと思ってました。ちがうんですねえ~』



チンパンジー研究の専門家の方に教わり、チンパンジー研究から人間が見えてきそうに改めて思いました。
世の中「生きる」ことが容易でない人がいます。社会で「生きる」ためには社会や人をみていかないといけないと思います。
人や社会をみていくのに参考になるのがチンパンジーだと思います。ある意味チンパンジーから学ぶものはあるように思えます。人が人に対して、排除したり惨酷になるのはなぜなのかもこれから少しずつみえてくるかも?




文献
「チンパンジーからみた世界」どうぞ

ゲノムに関しては今井さんの本どうぞ。(本のタイトル忘れました;)

おかあさんになったアイ  松沢さん著
人間性はどこからきたか? 西田さん著

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ユキ

へぇぇ寒いところには本来生息しないってこと??

あれだけ賢いのだから
コトバを話さないのがフシギなくらい。。
もしコトバを話すことができたら
どれだけ
人間が迷惑をかけてるか
訴えることができるのにね。。
by ユキ (2008-06-02 14:08) 

ayu15

ユキさんありがとうございます。
霊長類は熱帯雨林が生存環境に適合してるそうです。ヒトとニホンザルだけが例外で寒い所にもいるそうです。

ちゃんと社会を構成しているので、多分なんらかのコミュニーlションはあるようにおもえます。
by ayu15 (2008-06-02 14:59) 

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