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裁けますか [法律・制度]

ネットでは特定事件の被告(疑わしくて訴えられた人)への非難が目立ちます。まああくまで有罪を前提にしてるのでしょうけど。

 死刑制度はなんと130以上の国が廃止または事実上廃止と認識されているそうです。インド・中国・アメリカの一部や日本などいまでは制度維持している所は少数です。全廃92・通常犯罪廃止10・事実上廃止36だそうです。
死刑制度廃止を主張するブログは荒れやすいとも思えます。

 裁判員制度が始まります。これもまた世界的傾向だそうです。誰が選ばれるのかわかりません。多くの人はえらばれる可能性があるんです。

 「それでもぼくはやっていない」の映画観ましたか?いつ被害にあうか、いつ疑いを掛けられるのか、裁判は他人事ではなさそうです。
できれば今日の日記読む前にまず過去の日記ご覧ください。

 死刑存続がどうこうの議論・説明はご遠慮願います。まずいったん引っ込めて改めて考えてもらえるとうれしいです。


 あゆの死刑感情論・・・あくまで正論でなく感情論です。意見ではありません。
もし自分の大切な人が被害にあえば犯人(注意・被疑者でなく犯人)に死刑をねがいそうです。
もし自分や自分の大切な人が冤罪被害にあえば、判決下した人・起訴した検察に死刑を願いかねないです。犯人ときめつけた人々も憎むでしょう。「こいつらも同じ目にあえばいい」と思いかねないです。正義を武器?に奪った人はとても許せないです。 (あくまで感情論のみです)
 



 嫌でも市民が裁判と向き合わなくてはいけないのかも?そこで法学の専門家の方のお話です。


☆死刑制度
内閣府が死刑制度に対する世論調査を最近5年ごとにしています。最新の2004年を元にしたお話です。

死刑制度存置が約80%で大多数です。廃止派はわずかで10%にも満たないです。
性別では男性に存置派が多いです。
年齢では年齢が高いほうが存置派が多いです。
いずれも有意な差です。(統計上・学問上差があると認められる)
過去と比べて近年では最高の比率です。10年で廃止派は半分に減っています。


 廃止理由
いかせて償い
2冤罪・誤判の可能性
3国が殺人してはいけない
4更正の可能性
5死刑の抑止力

4と5は学問として検証可能です(統計とか)
『理由はもっともだなあと思いました』

 存置理由
1死をもって償うべき
被害者心情近年増加
3生かすとまたする

考え方の元になるのは中国の排除思想からきているそうです。
『これももっともですね』
『そういえば死をもって治める中国の価値観ありますねえ』


 海外
誤審でギロチンかけてしまった説?のフランス
アメリカでは差別偏見意識
黒人男性被告・被害者白人女性の場合冤罪で死刑が起きやすいそうです。また厳罰傾向だそうです。アメリカでは市民が死刑判決だす可能性があるそうです(州による


 抑止力の考察
この30年で多くの国が廃止しています。統計上死刑が抑止力とは認めにくいそうです。
『あくまで統計上で世界の一般論です。』
『うちが気になるネットや食生活などの影響は論理的説明はむずかしいかなあと』


 個別ケース
 池田事件(小学校に押し入り多数の児童などを無差別に殺害した事件)では犯人は死刑になるのを望んでいます。まったく抑止力はありません。望みどうり早期に刑が執行されて終わっています。
『遺族はおわったんですか???』

抑止力になったケースもあるんでしょうけど、想像では学問的に検証が難しい・因果関係が明確にみえないようです。




☆刑罰の目的や考え方
法学(刑法)での理論を説明してもらいました。専門用語ならんでむずぃんですけど[どんっ(衝撃)]



応報刑論・・作用に対する反作用(犯した罪にたいする相応のもの)・過去への対応。

1絶対的応報刑論・・・100%この論理なのがカントさんだそうです。予防は否定します。
「明日、この社会が終わるとしても、死刑相当なら死刑をすべき」という感じです。

2想定的応報刑論・・・日本で有力な理論だそうです。刑の重さが応報ですが、枠組みの中で予防目的が入るそうです。専門家の間ではこの方向が強いそうです。


目的刑論・・・予防

特別予防論
3隔離論・・・社会からの隔離です。中国の刑の考えだそうです。
4社会復帰論・・・戻る可能性考えるものです。根性を叩き直すていうものでしょう。

一般予防論
5消極的一般予防論・・・見せしめ・脅し
6積極的一般予防論・・・最近注目の理論で法の考え方教えるというもの
このように考えるのが望ましいと人々をコントロールするもの


これらの理論は対立しやすくそれぞれ長短あるようです。

社会復帰論は人権にはいいがきれい事になるおそれもあるそうです。教育・福祉と混同してしまうおそれがあるそうです。
『なんかよくわかんないですけど・・・。でも社会復帰は一般的な教育・福祉とは違うような・・・』


規範予防はソフトな方法でしょう。でも悪法の法になってしまいます。不合理な法にも従う従順な市民にしてしまいかねないです。
『規範予防よさそうにみえたんですが、こんな大きな危険もあるんですねえ・・』



応報刑論
刑が人権の制約であることを見逃さないです。だからそれにはよほどの理由がいります。重い罪には重く・軽い罪には軽くで犯した罪に対応します。
問題は本当に限定的か?ということだそうです。
「倍返し」でエスカレートする恐れがあります。報復感情を刑罰理論にいれるとどんどん重くなります。
『これもよさそうにおもえたんですが(一見公平にみえます)とんでもない危険があるんですねえ。「倍返しは世に多そうです。今エスカレートする方向のような・・。』
『この倍返しは与えるほうは「そのぐらい当然」と思うのでそこがねえ・・・。うちが何度かとりあげてる悲劇の連鎖の大きな要因の一つかと思えます。』

 過失致死と殺人は被害者にとっては理不尽にも殺されたので結果が同じです。でも現実は刑の重さが違います。この理論ではこれが説明できないです。
目には目をの理論では説明できないです。
『確かにこれは崩れてしまいますね。他の理論でないと説明できなさそうです。』


予防論
社会で再犯予防
軽い罪でも重くされてしまう問題点

消極的予防論(威嚇予防)
違反したら厳しく罰しますよというものはある程度合理的。
ただし軽い罪には効果・一時的効果です。
例飲酒運転

重い罪に効果あるかといえば・・・。なんでも重い罪になっていきます。
『今のネット世論に(専門でないけどそういう関連の)みかける傾向ですねえ。厳罰・監視強化が好きな人達いますしねえ。』


まあこんな感じで各理論を説明してもらいました。


 刑法といえばハムラビ法典が有名ですよね。「目には目を」でも応報はもう少しすすんでる??
殺人したら死刑。でも殺人でなければ死刑にはならないんです。
ん??じゃあ2人殺したら?二度死刑にできないからこの論理くずれませんか?別のもので補わないとねえ。
倍返しはこの理論とには反する考え方ですね。


 なんか昔はみせしめで公開で処刑とかしてたんですよね。これで脅したり、まねするなと教えたりして、都合のいい市民に(誰にとってかはそれぞれ)してそうなれない人は「排除」されたんでしょうかねえ。

 確かに隔離は中国ぽぃかも。やたら死刑にしているらしいです。死なないとおさまりつかない考え方・価値観らしいです。




☆次は各理論から死刑をみるとどうかのお話です。

特別予防論(教育)・・・死刑廃止です。
隔離理論・・・終身刑で足りるのであえて死刑はいりません。
規範意識論・・・これは重大犯罪には対応できません。
『死刑が相当と思われる重大犯罪に対応できなきゃ、この場合あまり役にたたないでしょうねえ』
予防論(威嚇)・・・犯罪増える???
『再犯(また外にでて殺人』の防止には効果あるケースもありえるかも?
応報・・・命で償う。  『殺人の場合のみ死刑ということでしょうね』
抑止力(5の予防論)調べるのが難しい。証明できない。

殺人計画した人に死刑があるからやめたけど、無期懲役までなら殺したというアンケートでもとるぐらいでしょうか?
死刑があるからやる!という例も何度かあるようです。捉まらないと思っているケースもあります。自爆テロにはまったく効果ありません。



理論では応報刑論が死刑制度存続の考えになりますね。予防は微妙なところも・・。



 理論でなく心情面のお話
 「犯人を死刑にしないと浮かばれない。天国にいけない」は本当にそうでしょうか?
犯人死んでも救済されないのでは?
こういう提起です。

 この法学の専門家の方は「天国にはいけるのでは?」と言っていました。うちもそう思います。きっと神様や仏様が救ってくれるでしょう。これらは検証不可能です。「うかばれない」と本人が言うはずもなく遺族が推測でそういっているか遺族自身の心情でしょう。


 余談

うろ覚えですけど・・・
昔昔(戦前)被害者が無念の死?だという本人の意思?の確認がいったらしいです。遺族の推測じゃだめなんです。


つまり本人が死ぬ前に無念の死であることを示さないといけないわけです。(池田事件みたいに死を望む人もいるので)それがないと保障もないようです。

ある時ある裁判官が被害者が死ぬ前に一言「残念」といったのを無念の死・不本意な死と認定したそうです。この知恵で遺族を救済したそうです。「残念判決」とかいわれるらしいです。


 池田事件では犯人とされた人は認めていて早期に死刑になることを望んだそうです。充分な謝罪は最後までなかったそうです。
外野ではは「殺せ殺せ!」だったでしょうね。そうして死刑になったら終わりです。でも遺族にはまだ終わっていない人もいるそうです。肝心の犯人がもう死んでしまったので謝罪はありえないんです。「なぜこんなひどい事をしたのか?」納得できる説明がありません。


 前とりあげたんですけど、被害者や遺族の人権?とか支援もあいにく不充分らしいです。不思議なのは「犯人死刑に」とコメントするとネットではおおくの賛同がきます。でも「事実知りたい。」「経済の補償を!」というととたんに被害者心情という人が激減します。
明石の事故で大切な家族を奪われた遺族には大きな支持の声はそういう人にはあまりないような印象です。
(過去の日記でとりあげています)

 心情として更正も大事だけど取り返しつかないひどい犯罪だから償い・報復の意味というのもあります。
池田事件ではこれはそうなってないような・・。犯人の望みをかなえてしまったんですから。

 「日本では終身刑ではいけない。人を殺しておいてすぐ保釈なんてゆるせない!」という声がネット世論ではおおそうです。現実でも少なくなさそうです。すごくもっともです。


 そこで実際どうか聞きました。
保釈は10年たたないとありません。2003年以降20年以内に保釈された人はいません。
2007年に無期刑で保釈された人はいません。
という事でした。
『え~ひとりもいないの!びっくり』



 隔離理論では死刑でなく絶対的終身刑でいいわけです。日本でも議論されているらしいです。これは保釈・恩赦のないものです。
リーフマンさんの研究です。絶対的終身刑は人格蝕んでいきやがて崩壊するそうです。廃人になるそうです。

 ドイツではナチスうんで人権侵害を国や社会が起した反省から絶対的終身刑を導入したそうです。
58年らしいです。 でも人格崩壊がわかりとんでもない事なので死刑のほうがマシということになったらしいです。崩壊は人道上刑罰でも許されないという事です。
それで恩赦のある絶対終身刑だそうです。アメリカ(州による)も恩赦があるそうです。やはり人道上許されないんですねえ。
 絶対的終身刑でなく保安処分というのが外国にあるそうです。日本ではそれに一番ちかいのは終身強制入院です。現在数名いるそうです。事実上の絶対終身刑でしょう。


 死刑はいけない。だからかわりに絶対的終身刑。国に殺人させられないという考えもありますがこの話を聞いて考えてしまいました。


 また「犯人には極刑よりもっと重いものを!」「殺すだけじゃ物足りない」という怒りの感情論???でいくとむしろ死刑は廃止して絶対的終身刑で廃人に追い込むほうが復讐できませんか?おおきな1度のできごとよりじわじわと長年追い詰めるほうがたえがたい苦痛です。でもこれは人の道からはずれるからしてはいけないでしょう。

 犯人の人権もいうなら死刑に!復讐なら死刑廃止!(笑い???)     笑えないかも・・・。





お話の最後にグリム童話の紹介がありました。
兄弟がと殺ごっこしました。本当に死んじゃいました。悲鳴きいた母は駆けつけてきて生き残ったほうを殺してしまいました。
その後母は自殺しました。
夫(父)が帰ってきてこの光景をみて死んでしまいました。

みんな死んでしまいました。


う~ん・・うちにはわかんないです。


 人が人を裁けますか?答えがどうであれ現実は裁かなくてはいけないでしょう。訓練された裁判官の人でもかなりの重圧かんじて死刑かどうか判断するらしいです。もしかしたら誤審(間違った判断)では?と苦悩することもあるそうです。真犯人は神と本人のみぞ知るでしょう。どこまでが本当なのかも。

 どんなに努力しても100%にはならないでしょう。それがよくも悪くも人間だから。
泣いても笑っても制度ははじまるんです。もし選ばれたら人として人と向き合い取り組んでいきませんか?他律でなく自律しませんか?  

ぜひおすすめです。人を裁く前にどうぞ。
怒りの感情http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-10-06







関連・参考
裁判員制度3 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2009-01-12
取調べ http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-01-27
裁判員制度2 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-01-20-1
裁判員制度1 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-10-31
司法制度 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-12-17
エコ刑務所 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-18-1
その身になってわかったこと?http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-08死刑制度について
説明責任・被害者心情 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-08-1 救済されない遺族
弁護士もらくじゃないかも1 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-02
               2 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-09-03
薬害 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2007-12-25  被害者心情は??


まあ参考にでも
セロトニン http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-03-09
感情・こころ・からだ http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-02-01←予備知識におすすめ
叩かれたくない・・アンチKY社会?http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-02-14-1
対立の構図 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2008-12-13 
友情        http://blog.so-net.ne.jp/life-ayu/2007-07-21-1


もっと知りたい人・疑問ある人その他、高山さんの著書をどうぞ。
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ayu15

裁けますか?2 http://life-ayu.blog.so-net.ne.jp/2009-05-20-1もどうぞ。
by ayu15 (2009-06-24 14:04) 

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