群集心理 南アフリカでの悲劇 [おはなし]
時はアパルトヘイトのまだ残る南アフリカです。エイミーさんは黒人支援活動をしていました。ある日エイミーさんは友人2人を車で送っていくことになりました。この2人は黒人居住区に住んでいます。友人は居住区はとても危険だから中には入らないように注意しました。エイミーさんもそう思い、手前の所まで送ることにしました。
ところが居住区付近で若者グループと遭遇しました。危険感じて逃げようとしましたが、すでにおそかったのです。「見ろ白人女がいるぞ!」と誰かが叫びます。「別のだれかが引きずりだせ」と叫びます。同調する声はあっても慎重な声はありません。 その声はどんどん大きくなり・エスカレートしていきます。「やっちまえ」「白人の手先だ」一緒にいた友人も暴行されていきます。「殺せ。殺せ」の大合唱です。
こうしてエイミーさんはおおぜいの人から袋叩きされて惨殺されていったのです。こういうお話でした。
もうこの話きいてとてもかなしかったです。さぞこわかったでしょう。辛かったでしょう。無念でしょう。もう言葉になりませんでした。そうしてとても犯人がにくく思えました。この国では白人に差別される黒人という構図が一般化されています。確かにそうでしょうが、それを一個人のエイミーさんにぶつけていいのでしょうか? 理不尽さに怒りさえ感じます。
でもこの事件の後、遺族は加害者と和解したんです。加害者を処罰して解決なんてことにならないように、この悲劇を伝える考えるためにこうして、物語化されたそうです。それと、エイミー基金が設立されたそうです。私達一人一人が怒りにまかせることなく、群集心理の問題を頭にいれておくのもいるかもしれませんね。
人種に関係なく手をとりあって生きれる世界になればエイミーさんの魂は救われると思いたいです。
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